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Filecoin スペースレース2の発表

2020.12.15

2020年9月12日付、Filecoin公式ブログから翻訳

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■スペースレース1のハイライト■
過去3週間、コミュニティ全体のマイナーがFilecoinスペースレースに参加し、可能な限り多くのストレージをTestnetに接続してきました。私たちは、スペースレースへの驚くべき数の参加とエンゲージメントに感激しています。ケニアのナイロビからニュージーランドのオークランド、ブラジルのサンパウロ、ノルウェーのオスロ、中国の深圳まで、6大陸32カ国から356人以上のイナーが参加しています。

参加者は当初の予想をはるかに上回り、マイナーはあっという間に200PiBのストレージに近づき、当初の目標の2倍になりました。さらに重要なことは、スペースレースによって、Filecoinプロトコルと初期実装の大規模なアップグレードが可能になったことです。スペースレース中のデータオンボードの高速化により、チェーンのスループットデータシーリングの弾力性メッセージプールスパム保護ワーカー選択のロジックの改善が行われ、Filecoinがさらに多くのマイナーとデータ容量をサポートできるようになりました。また、競争ストレージボットが毎日行っていた何千ものストレージとリトライバル取引から学んだことの一環として、取引プロセスの大幅な最適化を行いました。更に新APIdefaultsの改善モニタリングツール*7を追加し、マイナーの利便性を高めました。スペースレースのエキサイティングな内容については、毎週のレポートやその他のイベントを見ることで、より詳しく知ることができます。

スペースレースの主な目標の一つは、Filecoinネットワークとオペレーターが、メインネットでの使用量、トラフィック、パフォーマンスの水準に備えることでした。最終週には、チェーンのアップグレードドランドの停止状態の更新など、ネットワークの重要なストレステストの手順が含まれました。このような現実的な課題に備えて全員が準備をしておくことで、ネットワークがスムーズに状況を処理できるようになります。私たちはコミュニティとして、これらのストレステストから多くのことを学びました。協調的なコンセンサス(合意)アップグレードを行うためにどれだけの時間が必要か、これらのアップグレードを容易にするために必要なツールは何か、オペレータが問題から迅速かつ安全に回復する方法は何かなどです。このテストのおかげで、バージョンダッシュボードチェックポイントフォローロジックスナップショットエクスポートツールができました。

これまで驚異的な成果を挙げてくださったコミュニティの皆様に、心から感謝しています。皆さんと一緒にこのネットワークを構築できたことを光栄に思います。
記録的な200PiBに到達出来る事*を期待しています!
*訳注:その後すぐに200PiBに到達しました!


■地域社会を一つにする■
コミュニティが活発です!私たちは、世界中からスペースレースに参加している何百人の活発な意見交換を見聞きしてきました。マイナーは何十ものブログ記事を書き、3つのAMAに参加し、9人のFilecoinマイナーが3つのShow-and-Tellsで発表しました。1,205人以上のコミュニティメンバーが#space-race Slackチャンネルでアクティブに活動しており、Filecoinに関するあらゆる議論の海を作り出しています。特に貢献してくれた11人、彼らの素晴らしい貢献に対してコミュニティ賞を贈りました。コミュニティの勢いはすごいですね🚀

参加者はスペースレースを通して多くの素晴らしいフィードバックを生み出し、多くのロータス機能、プロトコルの調整、チェーンエクスプローラーの改良、新しいツールなどに結びつきました。あなたの考えやフィードバックは、プロジェクトの指針となり、エコシステム全体の多くの製品開発の指針となるため、貴重なものです。リクエストの中には相反する方向を指し示すものもありますが、私たちのような大規模なブロックチェーンコミュニティでは全く普通のことです。しかし、データはまた、いくつかの強い共通のテーマを示しているます。

多くの洞察とフィードバックの中で、5つの大きな要望が今日の投稿につながりました。

1.マイナーや開発者は、テストやチューニングのための時間を増やしてほしいと要望しています。マイナーのハードウェア実装、ソフトウェアシステム、ファイルコインのマイニングUX、ファイルコインの実装バグ、プロトコルパラメータのチューニング、大小のマイナーのための経済モデルなどです。マイナーはどのくらいの時間を必要としているかによって異なります:ある人は1週間、ある人は数ヶ月。また、多くの人が「またスペースレースがしたい!」と言っています。

2.マイナーたちは、報酬を得る機会を増やしたいと思っています。スペースレースの期間中、マイナーたちはストレージのマイニング作業を構築し、管理する方法について豊富な経験と知識を得ました。マイナーがその方法を知った今、多くの人は、運用を改善したり、ハードウェアを購入したりするための追加の報酬を求めています。”より多くのスペースレース! より多くの報酬を!”

3.マイナーは、メッセージスループットとPoStの信頼性の向上を望んでいます。スペースレースでは、高レベルのチェーンの混雑が多くの望ましくない効果を引き起こしました。チェーン混雑時の障害の回復が困難になり、アップグレード、DDOS攻撃、計画的なテスト停止の間、マイナーが苦労する原因となりました。WindowPosts、フォールト、チェーン混雑、およびSelfish Packingは、それ自体は管理可能ですが、それらが混ざり合って増幅されると、事態は困難になります。大規模なネットワーク上での継続的なテストと反復は改善に役立ちます。

4.マイナーや開発者は、ディールメイキングを改善するための時間をもっと欲しいと思っています。ネットワーク全体としては、ストレージディールとレトリバルディールの成功率は全体的に良好で、多くのマイナーはほぼ完璧に近い成功率を達成しました! しかし、マイナーはネットワークの問題、ファイアウォールの問題、バグ、ISPやVPNの問題など、いくつかの課題にも直面しました。堅牢で分散型のグローバルストレージネットワークを提供するためには、改善すべき点がまだたくさんあります。私たちはユーザーデータを保存することを競争の大きな部分にしなかったので、多くのマイナーやユーザーから、これらのフローをもっとテストして改善してほしいという要望が寄せられています。”クライアントやアプリのスペースレースはできるのか?”

5.マイナーやデベロッパーは、スペースレースのセクターをメインネットで使いたいと考えています。スペースレースでこれまでに接続された195PiBの容量は、Filecoinプロジェクトにとって非常に貴重な資産です。私たちはスペースレースで接続されたセクターをメインネットで使いたいと考えています。スペースレースで優れたストレージパワーの分配は、何百人もの参加者の間で十分に分散された大容量のストレージパワーとネットワークのセキュリティを高めた状態でメインネットを始めることができます。これは、スペースレースのセクターをシーリングするために多くの資源と費用とエネルギーを費やしてきた多くのマイナーからの要望でもあります。それらのセクターを長期的に使用できるようになれば、彼らの参加の価値が高まり、メインネットのセキュリティを大幅に向上させることができるでしょう。


さて、もう一つのスペースレースを行うことは、この3週間のスペースレースに関わったマイナー、開発者、スペースレースのスタッフに、更に多くを求めることになります。スペースレースは誰にとっても巨大でチャレンジングな仕事でした。マイナーたちは、すべてのオペレーションを構築して実行し、すべてがどのように機能するかを学び、オペレーションを改善して最適化し、問題やストレステストを適切に管理しなければなりませんでした。私たちは多くのカスタムソフトウェアを開発し、競争プログラムを作成し、イベントを開催し、24時間365日体制でスタッフを配置して、マイナーのスタートや問題解決をサポートしました。これらのプログラムを企画し、実施し、参加するにはかなりの時間がかかります。しかし、貴重な機会と強い要望を考えると、彼らが求めていたものをコミュニティに提供することにしました❤️


■スペースレース2の紹介■
スペースレース2(SR2)を紹介します!すべてのフィードバックとこれまでのスペースレースで成長した大規模なネットワークに基づいて第2フェーズのレースを開催します。これは、メインネットの準備をしながら、大規模なネットワーク上でのFilecoinのテストと改善を続ける機会となります。

SR2はドメイン指向のトラック(ドメイントラック)を使った競争になります。これらのトラックは、コミュニティのさまざまなサブセットがネットワークのさまざまな部分を鍛えたり、テストしたりすることを可能にします。

トラック1:SR2 – Orbital Burn。マイナーのためのトラックで、ネットワークの規模をテストし、成長させます。これは、スペースレース1が完了した時点から再開します。このトラックについては、この後の記事で説明します。
トラック2:SR2 – Slingshot。Filecoinのクライアント、アプリケーション開発者、ツール開発者がテストネットに製品をデプロイするためのトラックです。このトラックは、クライアントとマイナーにストレージと検索の取引を奨励し、Filecoinストレージのユーザーがメインネットの準備をするのに役立ちます。このトラックについては、来週初めのブログ記事で説明する予定です。

■トラック1:SR2 – Orbital Burn、ストレージ・マイナーのために■
SR2のオービタルバーンでは、ストレージを維持して成長させると、マイナーに追加の報酬が与えられるようになります。しかし、限られた時間の中で賞金プールを増やすために、大きなストレージ目標数値に向かって競い合う必要はありません。この構造により、マイナーは自分のペースでストレージを成長させることができます。これにより、SR1の激しい競争の後に必要な休息と再編成の時間をチームに与えてくれることを期待しています。SR2のプレビューとして、オービタルバーンの競技ルールを下記に記載します。最終的な競技ルールはウェブサイトに掲載されます。

目標について
○適切な経済シミュレーション
SR2の第一の目標は、できるだけメインネットに近いテスト条件を作ることです。SR1では主に生のバイトストレージパワーに焦点を当てていましたが、SR2ではブロック報酬やガス料金などの他の経済的要因がより現実的な役割を果たすことになるはずです。
○適切な市場シミュレーション
SR1では、ディールの成功は非常に限られたディールのセットによって測定されました。堅牢でグローバルな分散型ストレージネットワークというメインネットの目標に向かうために、SR2ではディールボットのディールとストレージクライアントのディールの両方に報酬が与えられるようになります。

報酬について
○メインネットのセクター
SR2を通してセクターを維持または成長させることに成功した採掘者は、そのセクターの一部をメインネットに転送/プレロードすることができるようになります。これは、スペースレース1とスペースレース2で獲得したストレージパワーが、メインネット起動時のストレージパワーを直接向上させることを意味します。
○Sector Pledge Collaterals(セクターの担保コイン)
さらに、SR2を通してセクターを維持することに成功した採掘者は、プロトコルでカバーされている対応する担保資産(担保コイン)とともに、それらのセクターをメインネットにプリロードすることができます。これは、この記事の日付の時点で450万FILを超えており、SR1の報酬を超えています。何ヶ月も何年もFilecoinに深く関わってきた採掘者にとって、大きな報酬になることを期待しています。
○獲得したブロック報酬&ガスのFIL賞品プール
SR2終了時には、ブロック報酬&ガスとして獲得したテストネットFILに比例した賞金プールの一部をmaina- が受け取ることができます。これは、ブロックを適切にパックするための強い経済的インセンティブを提供することを目的としています。割合はSR2が終了し、配分についてよりよく理解された後、主催者によって決定されます。

その他の詳細
○期間
9月14日~10月5日の3週間。時期は未定ですが、メインネットの立ち上げに向けて準備を進めていく中で、3週間程度の実施を目指しています。メインネットの準備の進捗状況によっては、SR2の期間を延長または短縮する可能性があります。
○障害
通常の障害および回復条件が適用されます。セクターは完全に終了するまで存在しているとみなされます(連続した多数の障害)
○ストレージ容量目標達成時の賞品はありません
現時点では、SR2のストレージ容量目標達成時の賞金は予定していません。
○オープンエントリーでマイナー登録は不要
今回マイナー登録は不要です。誰でもマイナーアカウントを作成してマイニングを開始し、最後にストレージを獲得することができます。(注意:賞金が追加された場合、非セクター/副次的な報酬を請求するために登録が必要になる場合があります)
○ディール成功率
ディールボットによって測定されるディール成功率は、資格を得るために引き続き必要とされます。ディール成功率はマイナーにとって最も困難な基準の1つでしたが、ストレージ及びリトライバル市場と実装に多大な改善をもたらしました。
○コミットの償還証明
SR2の期間中も縮小された範囲で償還を継続する予定です。それによりストレージの追加を希望するマイナーが成長を続けることができるようになります。もし悪用やチート行為、その他の問題があった場合には、償還プログラムを停止するか、償還上限を設定します。
○新規ユーザー向けのFIL
私たちは新しいユーザー (github経由のOAuth) 向けのFILを復活させますが、より保守的なパラメータを使用します。もし悪用やチート行為ゲームの試み、その他の問題があった場合は、それを停止したり、払い戻しに上限を設けたりします。


参加してくれてありがとう
私たちはメインネットにSRのストレージを含めることで、大量の有用な分散型ストレージパワーからなる初期ネットワークの実現を希望してきました。SR2では、これを実現し、メインネット時に近い経済的インセンティブ条件を含めて、さらに多くのストレステストにより細かな問題も見つける事を期待しています。

SR1に参加いただきありがとうございました。私たち全員にとって素晴らしく、やりがいのある経験となり、一緒に大きな成果を達成することができました。私たちは、斬新なブロックチェーンを利用した分散型ストレージネットワークを介して、約200PiBのストレージを蓄積しました。私たちはとてつもなく大きな分散型ストレージ施設を作りました。中央集権型の大規模なクラウド企業ほどの規模ではありませんが、我々は我々の道を歩けていて、この先の何年間が成否を決めることになると思います。

SR1の終わりに向けて、頑張ってください。そして、SR2もよろしくお願いします。

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